原てるお9月議会では平成27年度の決算について特別委員会が立ち上げられ、詳しい審査が行われるとともに、一連の不祥事に関連する議案が上程され、本会議等で審議されました。

また、出資法人についても昨年度の決算報告が行われ、人件費補助のあり方などについて質問するとともに、一般質問では都市農業振興基本計画の策定を中心に農政に関わる取り組みについてとり上げました。

ここではこうした9月議会の様子についてご報告致します。

議案に対する賛否

議案に対する質疑
議案第22号~29号
「藤沢市民会館サービスセンター株式会社の経営状況について」 ほか7報告議案について
要旨(1)不祥事防止策について
要旨(2)法人事業について

議案第29号
「公益財団法人湘南産業振興財団の経営状況について」
要旨(1)プロバイダー事業と今後の法人のあり方について

一般質問
件名1、農業に希望がもてるまちづくりについて

要旨(1)都市農業振興基本計画の策定と関係諸施策について
① 都市農業振興基本計画について
② 市街化農地のあり方について
③ 北部観光振興について
④ 農家レストランについて
⑤ 教育との関わりについて
⑥ 道の駅について

要旨(2)水田の保全について
① 水田の現状について
② 米のブランド化について
③ 農業用水路の整備について

要旨(3)今後の農政のあり方について
① 農業委員会について
② 農政審議会について

※質疑の内容は概要をまとめたものです。正確な内容については議事録をご確認ください。
市議会のホームページで一般質問の様子をご覧頂けます。

子ども文教常任委員会
市議会のホームページで委員会の様子をご覧頂けます。

補正予算常任委員会
※2016年度は補正予算常任委員会の副委員長です。
市議会のホームページで委員会の様子をご覧頂けます。

議案に対する賛否

議案 概要 原てるおの賛否 採決結果
議案第20号
市道の認定について
鵠沼920号線ほか10路線を認定するにあたり、議会の議決を求めるもの。 可決
議案第21号
市道の廃止について
明治172号線ほか3路線を廃止するにあたり、議会の議決を求めるもの。 可決
議案第22号
損害賠償額の決定について
学校給食費の着服事件に絡み、未払いとなっている学校給食の食材費を国家賠償法に基づき、市が直接食材事業者に賠償するもの。 可決
議案第23号
藤沢市常勤の特別職職員の給与に関する条例の臨時特例条例の制定について
一連の不祥事の責任を取るにあたり、市長の9月分の給与を半額にするもの。 可決
議案第24号
都市計画法に基づく開発許可の基準等に関する条例の一部改正について
県条例の改正に伴い、市の条例で対応する開発許可等の対象範囲を変更するもの。 可決
議案第25号
藤沢市地域包括支援センターの人員及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について
介護保険法施行規則の一部が改正により地域包括支援センターの職員に係る基準が改正されたことに伴い、関連する条例の一部を改正するもの。 可決
議案第26号
藤沢市自転車等駐車場条例の一部改正について
善行駅西口に新たに有料自転車等駐車場を開設するにあたり利用料金などを定めるもの。 可決
議案第27号
藤沢市企業立地等の促進のための支援措置に関する条例の一部改正について
一定の規模のホテルの誘致策を実施するにあたり、関連する条例の一部を改正するもの。 可決
議案第28号
平成28年度藤沢市一般会計補正予算(第3号)
新たに開所される小規模保育所の改修費等を補正するもの。 可決
議案第29号
平成28年度藤沢市一般会計補正予算(第4号)
学校給食費の着服事件に絡み、未払いとなっている学校給食の食材費を賠償するにあたり、当初予算を補正するもの。 可決
議案第30号
平成28年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第1号)
介護保険事務処理システムの改修費を補正するもの。 可決
議案第31号
平成28年度藤沢市民病院事業会計補正予算(第2号)
エネルギー棟の改修工事を行うにあたり、アスベストが発見され、除去作業を行う経費を補正するもの。 可決
議案第32号
平成27年度藤沢市下水道事業費特別会計未処分利益剰余金及び資本剰余金の処分並びに決算の認定について
平成27年度藤沢市下水道事業費特別会計について認定するもの。 可決
議案第33号
教育委員会委員の任命について
新たに教育委員に大津邦彦氏を任命するにあたり、議会の同意を求めるもの。 可決
議案第34号
固定資産評価審査委員会委員の選任について
固定資産評価審査委員会委員に大川宏之氏、相馬正人氏を選任するにあたり、議会の同意を求めるもの。 可決
議案第35号
オンブズマンの委嘱について
オンブズマンに小村陽子氏を委嘱するにあたり、議会の同意を求めるもの。 可決
議案第36号
工事請負契約の変更契約の締結について(藤沢市生きがい福祉センター新築工事(建築))
藤沢市生きがい福祉センター新築工事において、台風等により工期の延長が必要となったため、工事請負契約の変更を行うもの。 可決
議会議案第2号
原発避難者に対する住宅無償提供の継続を求める意見書について
原発避難者に対する住宅無償提供の継続を求める意見書を政府に対し提出するもの。 可決
議会議案第3号
日米地位協定の抜本的な見直しを求める意見書について
日米地位協定の抜本的な見直しを求める意見書を政府に対し提出するもの。 可決
報告第19号
継続費の精算報告について(平成27年度藤沢市一般会計)
庁舎等整備事業などについて精算報告をするもの。
報告第20号
継続費の精算報告について(平成27年度藤沢市下水道事業費特別会計)
大六天排水区雨水管渠築造工事について精算報告をするもの。
報告第21号
健全化判断比率及び資金不足比率の報告について
健全化判断比率及び資金不足比率について議会に報告するもの。
報告第22~29号
藤沢市民会館サービス・センター株式会社の経営状況について ほか7件
藤沢市が出資している8法人の平成27年度決算について議会に報告するもの。
認定第1~10号
平成27年度藤沢市一般会計歳入歳出決算ほか9特別会計の認定について
平成27年度藤沢市一般会計歳入歳出決算ほか9特別会計について認定するもの。 可決

「藤沢市民会館サービスセンター株式会社の経営状況について」 ほか7報告議案について

【議案に対する質疑】
 議案第22~29号
「藤沢市民会館サービスセンター株式会社の経営状況について」ほか7報告議案について
要旨(1)不祥事防止策について
要旨(2)法人事業について
要旨(1)不祥事防止策について
原てるお:
本市では公金や準公金を職員が着服する事件が続発し、再発防止に向けた取り組みが進められていますが、出資法人についても、現金を取り扱う部署があろうかと思います。

そこで伺いますが、出資法人を指導・監督する立場にある本市として、現金の取り扱い等、不正行為を未然に防ぐ取り組みを法人に対してどう指導しているのか、お聞かせください。

総務部長: 出資法人への不正防止の取り組みの指導ということでございますが,出資法人は独立した組織であることから,経営やリスク管理については各団体の主体的責任のもとに,各種規定類を整備し,実施しているものと捉えており,今回の一連の不祥事にあたりましては,本市の再発防止に向けた取り組みについて指導・助言をいたしました。具体的には,現金取り扱いの有無や,職員1人の判断で収入・支出が完結しうる業務はないか,悪意を持った職員が他の職員のチェックを免れることはないか,などのリスクの再点検を指導担当課を通じて依頼し,リスクが発見された場合には,その改善策について,報告を求めております。

今後は,これを契機として,それぞれの団体に適した規定として再整備することにより,常に内部統制の向上に努めていただくよう,周知啓発に努めることとしております。

 

要旨(2)法人事業について
原てるお:
平成27年度の市から出資団体への人件費に対する補助金額についてお聞かせください。

 

総務部長: 出資法人への人件費に対する補助金額につきましては,今回,議案として報告させていただいております8団体については、約7千200万円であり,その他の出資団体として,社会福祉協議会を含めますと,約8千900万円でございます。

 

原てるお:
平成27年度の市から出資法人への委託料、補助金、負担金、さらにそれらの総額についてお聞かせください。

 

総務部長: 出資法人への委託料、補助金、負担金につきましては、先ほどと同じく8団体につきましては,委託料が約43億5千286万円,補助金は約2億6千374万円,負担金は約3億1千502万円でございます。

その他,使用料及び賃借料を含めました総額は約51億1千630万円でございます。

続きまして,社会福祉協議会を含めますと,委託料が約47億1千440万円,補助金は約4億6千330万円,負担金は約3億1千502万円でございます。

その他,使用料及び賃借料を含めました総額は約56億7千740万円でございます。

 

原てるお: 平成27年度は各法人において自主事業の拡大に向け、どのような努力がなされてきたのか、自主財源比率の全体平均値とあわせて、お聞かせください。

 

総務部長: 各法人の自主事業拡大に向けた取り組みについてですが,一例を申し上げますと,藤沢市興業公社では,片付けゴミと管清掃の受注の増に努力しております。また,市の「道路反射鏡の清掃及び管理業務委託」の入札案件にも参加し,自主事業の拡大を図っております。保健医療財団においては,人間ドックとシニア健診の受検者を増やす取り組みとして,新規紹介割引制度を設けまして,取り組んでおります。

また、自主財源比率の全体平均値は,同じく8団体で41.2%,社会福祉協議会を含めまして,全体では,40.3%となっております。

 

原てるお: 平成26年度においては、出資法人に対する委託事業の見直しが行われ、具体的に藤沢市まちづくり協会への街路樹管理業務委託の見直しがなされたと以前の一般質問で伺いました。平成27年度においては、出資法人に対する委託事業の見直しは行われたのか、お聞かせください。

 

総務部長: 出資法人に対する委託事業の見直しの事例があるかとのご質問ですが,既存の委託業務については,毎年度の予算編成において委託の内容や必要性,効果等を改めて検証した上で予算化するよう努めております。この過程において,再委託比率が高かった業務として「街路樹管理業務委託」の事業内容の精査を行い,見直しを図ったものでございます。今後についても,事業内容の必要性を精査する中で予算化に努めてまいります。

 

原てるお: 出資法人については、行政の補完的な役割を果たす団体としての役割が期待されていますが、自らの給料は自らの努力により稼ぎ出すくらいの気概を持って法人経営にあたって頂きたいと思います。そうした意味においては、人件費に対する補助についても、できるだけ早期に削減されるよう、各法人の経営体質の強化に取り組む必要があると考えますが、本市の見解を伺います。

 

総務部長: 法人経営の体質強化に取り組む必要があるのではないかとのご指摘でございますが,ご案内のとおり,本市の出資法人は行政の補完的かつ公益的役割を担いつつ、柔軟で効果的な住民サービスの提供主体としての役割を果たしていく団体であります。出資法人の中で公益財団法人に移行をした法人については、「民による公益の増進」に寄与する民間非営利部門として,重要な主体であると期待をされており,公益目的事業比率の維持,また,公益目的事業ごとに収支相償を保つことなどの基準を満たす中で運営を行っております。また,株式会社については,収益という面も合わせて,公共サービスの担い手として期待されるところであります。

いずれにいたしましても,「藤沢市第二次出資団体改革基本方針」を定め,「新行財政改革実行プラン」において,出資法人の経営基盤の確立と人的・財的自立の促進を目標として,4つの視点で取り組んでおります。具体的には,一点目,出資法人としての行政の補完の役割,定款等に定められている公益的意義に即した事業の方向性の整理。。二点目,住民サービスに着目した事業サービス水準目標の設定と実現。三点目,自立性を高めるため中長期を見据えた経営課題の整理と解決。四点目,組織と人員体制の見直し,人材育成計画の策定。と,しており,この改革については,平成26年度から28年度の3年間を集中取組期間として,各法人がプランを作成して,取り組んでいるところでございます。

 

「公益財団法人湘南産業振興財団の経営状況について」

【議案に対する質疑】
 議案第29号
「公益財団法人湘南産業振興財団の経営状況について]
要旨(1)プロバイダー事業と今後の法人のあり方について
原てるお:
公益財団法人湘南産業振興財団のプロバイダー事業について伺います。この事業については今年度末の事業終了に向けて準備が進められていると思いますが、その進捗状況についてお聞かせください。

経済部長: インターネットサービスプロバイダー事業についてでございますが、インターネット接続サービス事業の実績を有する「専門の事業者」への事業譲渡に向け、現在、準備を進めているところでございます。

具体的なスケジュールでございますが、本年7月に事業譲渡に関わる権利義務など、基本的な事項を定めた合意書を締結しており、年内には具体的な内容を定めた事業譲渡契約を締結し、来年3月末をもって事業を譲渡する予定でございます。また、同じく年内には、シティフジサワの会員の皆様に、その旨の周知を行う予定でございます。

なお、事業譲渡にあたりましては、ドメイン名を変更しないなど、シティフジサワ会員の皆様への影響を極力少なくできるよう譲渡先の事業者と調整を進めているところでございます。

 

原てるお:
今後のこの法人のあり方については、「他の経済団体との統合の可能性を含め、諸課題の検討を進める」と以前の一般質問においてご答弁頂きました。その後の検討状況についてどのようになっているのか、お聞かせください。

 

経済部長: 他の経済団体との統合の検討状況についてでございますが、これまで市の産業労働課と経済三団体の常勤理事、事務局長で構成される経済三団体連絡会議において、より効率的な産業振興及び市内経済の発展の観点から、その可能性についても検討を進めて参りました。

その中で、例えば、公益財団法人湘南産業振興財団が実施する湘南勤労者福祉サービスセンター事業は、現在、藤沢市、鎌倉市及び茅ヶ崎市の3市の広域事業となっておりまして、定款により活動区域が市内に限定されている藤沢商工会議所では事業を引き継ぐことができないなど、統合にあたっては様々な課題があることを共通に認識したところでございます。

本市と致しましては、今後の財団のあり方について、中長期的な視点も踏まえ、引き続き、諸課題の検討を進めて参ります。

 

要旨(1)都市農業振興基本計画の策定と関係諸施策について

【一般質問】
件名(1)農業に希望がもてるまちづくりについて

要旨(1)都市農業振興基本計画の策定と関係諸施策について
都市農業振興基本計画について
市街化農地のあり方について
北部観光振興について
農家レストランについて
教育との関わりについて
道の駅について

都市農業振興基本計画について
原てるお:
昨年4月に都市農業振興基本法が成立し、本年5月には都市農業振興基本計画が閣議決定されました。これを受け、本市においても都市農業振興基本計画の策定作業がスタートしましたが、まずはこの計画がどのような計画になるのか、その内容や本市農政における位置づけなども含めて、お聞かせください。

経済部長: 「都市農業振興基本計画」についてでございますが、国の基本計画においても、都市農業が発揮する多様な機能といたしまして、「農産物を供給する機能」、「防災の機能」、「景観形成機能」、「環境保全機能」、「学習・交流機能」、「農業に対する理解醸成機能」が位置づけられております。

こうしたことから、本市の「都市農業振興基本計画」につきましては、策定協議会の中で、議論をしていくことになりますが、都市農業の多様な機能を発揮し、本市の都市農業が持続的に発展していけるような内容を盛り込んでまいりたいと考えております。

また、本市の農政における「都市農業振興基本計画」の位置づけと致しましては、この計画は、市街化区域も含めた「農業振興計画」となりますので、他の農政関係の様々な計画を包括する位置づけになるものと考えております。

 

原てるお:
次に計画の策定作業についてですが、これまでの議会での議論の中でも、農業委員など9名の委員で構成される協議会を立ち上げ、策定作業に取り組むことが示されていましたが、計画策定に向けたこれまでの進行状況について、お聞かせください。

 

経済部長: これまでの進行状況についてでございますが、関係機関に対しまして、計画策定協議会委員の推薦を依頼し、8月末に全ての関係機関から委員の推薦状及びその承諾書が提出されたところでございます。

現在、10月上旬に予定している第1回目の計画策定協議会に向け、そのたたき台となる計画原案を作成しており、並行的に関係機関に対するヒアリングを行っているところでございます。

 

原てるお:
次に計画の対象地域について伺いたいと思います。都市農業振興基本法では、この法律に基づく諸施策の対象地域について厳密な定義をせず、今後策定が進められる地方計画の中で具体的に示されることが期待されています。

そこで伺いますが、本市においては、都市農業振興基本計画の策定にあたり、諸施策の対象地域についてどのように設定するつもりなのか、お聞かせください。

 

経済部長: 神奈川県が、平成18年度に施行した「神奈川県都市農業推進条例」では、都市農業の定義を、「神奈川県全域で営まれる農業」としていることから、本市における定義につきましても、「市全域で営まれる農業」としていくべきと考えております。

なお、法律に基づく諸施策の対象地域につきましては、今後の国の税制改正等により、例えば、市街化区域に限定されることも想定されますが、現在、国から具体的に示されておりませんので、今後の国の動向や、計画策定協議会の議論を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。

市街化農地のあり方について
原てるお: 次に市街化農地について伺いたいと思います。都市農業振興基本法の制定により、市街化区域内における農地について、「宅地化すべき農地」から都市景観を形成する上で「あるべき農地」として、その位置づけが大きく見直されることになりました。

本市にもおよそ200haの市街化区域内農地が存在していますが、今回の法制定を受け、本市では市街化区域内農地についてどう捉えているのか、その認識についてお聞かせください。

 

計画建築部長: 「市街化区域内農地」につきましては、生産緑地を中心として、本来の農地としての機能である生鮮野菜や果樹、花卉などの農産物の供給源であります。

それととともに、都市住民が農業にふれあい学習し交流する場としての機能や、良好な都市景観の形成機能、地下水の涵養等の環境保全機能、防災機能などを備え、都市における良好な生活環境を構成する貴重な空間であると考えております。

 

原てるお: 貴重な空間であるとのことでしたが、とりわけ市街化区域内にある農地のうち、大きな部分を占めているのが生産緑地です。この生産緑地の箇所数や面積が指定以来、どのように変化してきているのか、お聞かせください。

 

計画建築部長: 本市の生産緑地地区は1992年に当初の都市計画決定を行っておりまして、543箇所、面積約99.1ヘクタールを指定し、1996年には、598箇所、面積約109.1ヘクタールの生産緑地地区がございました。

その後は、農業の主たる従事者の死亡等に伴い、生産緑地地区が減少し、2016年4月時点では、528箇所、面積約98.5ヘクタールを指定しております。

 

原てるお: ほぼ100ha前後で変わらず推移してきている訳ですが、この生産緑地については、農業従事者の死亡や告示後30年を経過した場合に市町村長に対して買い取りの請求を申し出ることができるようになっています。多くの生産緑地が指定後30年を迎える、いわゆる2022年問題に向けて本市としてどう対応してゆくのか、お聞かせください。

 

計画建築部長: 本市における生産緑地地区は大半が1992年に都市計画決定を行っているため、生産緑地法の規定では決定から30年が経過する2022年には、地権者の自己都合で、生産緑地地区の買い取り申し出を行うことが可能となります。

なお、その時点での制度運用につきましては、生産緑地地区を数多く指定している三大都市圏を中心とした全国的な課題でもあり、国の動向に注視するとともに、県内の他自治体とも密に情報交換等を行いながら、対応を図ってまいりたいと考えております。

 

原てるお: 確かに、2022年が迫って来るに従って、国からも何らかの方策が示されるかもしれませんが、ただ単に、国の出方を待つだけでなく、本市としても来るべき2022年に備え、今のうちから主体的、計画的に対応を検討すべきです。

とりわけ、いま本市においては都市公園の見直しや立地適正化計画の策定など、本市の土地利用のあり方について定めた計画の見直しや策定作業が進められています。

その中で、例えば、公園予定地内や立地適正化計画の防災対策先導地域内にある生産緑地については、将来買い取り申請が出された際に、公園整備や災害時の避難場所等として有効活用を図ることができるよう、今のうちから2022年に備え、計画的な対応策を練っておくべきではないかと思いますが、本市の見解を伺います。

 

計画建築部長: 現在、取り組みを進めております「長期未着手都市計画公園・緑地」の見直しにおいて、都市計画公園の代替地の1つとして生産緑地の利活用も検討を進めているところでございます。

また、見直しの観点として、公園が有する防災機能があり、立地適正化計画における防災対策先導区域との関係性にも着目し、都市計画公園の代替の可能性などを検討してまいります。

このように、有効活用が図られる生産緑地の抽出等を行っていくなかで、今後の対応策を検討してまいりたいと考えております。

 

原てるお: 本市の土地利用のあり方を見直す作業が進められつつある、ちょうどいいタイミングでもありますので、生産緑地の存在も十分考慮に入れて見直し作業を進めて頂きたいと思います。
北部観光振興について
原てるお: 次に北部観光振興について伺います。

都市農業振興基本法第16条では、都市における農地の有効活用や農作業体験ができる環境の整備について、国や自治体が必要な施策を講じることが定められています。すでに本市においても、とりわけ緑や農地が多く農畜産業が盛んな市内北部地域の資源を活かした観光振興が一つの大きな課題となっていますが、今後、この北部観光振興にどう取り組むのか、お聞かせください。

 

経済部長: 本市の北部地域の観光振興につきましては、これまで、「るるぶ特別編集藤沢」の特集ページで、自然や伝統的なお祭りを紹介するほか、ポスターやチラシ、観光ホームページなどにより、北部地域の魅力の発信に取り組んでいるところでございます。加えて、収穫を実際に体験しながら北部地域をめぐる「収穫観光ウォークラリー」や、「サイクルチャレンジカップ藤沢」の開催を通じ、北部地域が持つ様々な魅力を知っていただく機会を創出するなど、北部地域の資源を活かした観光施策に取り組んでまいりました。

一方、神奈川県においても、2019年ラグビーワールドカップや東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、国内外からの観光客の誘致を推進し、地域経済の活性化を図るため、県内の各地域に潜在する多彩な観光資源の発掘・磨き上げを行い、魅力的な周遊ルートの開発を行うとしております。

本市といたしましては、これまでの取り組みを継続するとともに、県が実施する周遊ルートの開発に合わせて、北部地域の資源を活かした新たな魅力の創出を図ってまいりたいと考えております。

 

原てるお: これまではどちらかと言うと、市内北部地域の魅力を内外にPRし、認知度を高めることに力点が置かれてきたのではないかと思いますが、今後はお祭りやイベントなど一時的な行事だけでなく、恒常的に北部地域の魅力を求めて市内外から人々が訪れ、地元にお金を落としてゆく仕組みづくりが必要だと考えます。

そうした意味においては、行政の取り組みはもちろんのことながら、地元の方々にも少しは商売っ気を出して頂き、新しいことにチャレンジするような気持ちを持って頂かなければなりません。この両方の歯車がうまくかみ合って地元経済の活性化に結びつくのではないかと思います。

そこで、北部観光振興に向けた次なる段階として、地元地域の機運を高めつつ、恒常的に人を呼び込むような仕組みづくりに取り組むべきだと考えますが、本市の見解を伺います。

 

経済部長: 本年4月に改定いたしました「藤沢市地産地消推進計画」では、観光施策との連携を位置づけ、生産活動と観光施策を連携させた事業の実施を掲げております。

北部地域には、生産者と消費者の交流促進を図ることが可能な生産現場や、農産物の直売所が存在しております。
このような場所において、農業体験を行うことは、恒常的に人を呼び込むことに繋がるとともに、生産者の新たな収入に繋がるものと考えております。

今後、北部地域の方々と相談させていただきながら、このような仕組みづくりをするための機運を醸成してまいりたいと考えており、その環境が整備される機会を捉え、北部地域のグリーンツーリズムの具現化に向け、取り組んでまいりたいと考えております。

 

原てるお: 是非、積極的に取り組んで頂きたいと思います。また、今後は市外からの観光客のみならず、市内の他の地域に住んでいる方々にも北部地域に足を運んでもらえるような仕掛けづくりを考えて頂きたいと思います。そうすることによって、北部地域の活性化が図られることはもとより、市内の他の地域に住んでいる方々にとっても、身近なところで自然を感じることができ、「藤沢に住んでいて良かった」と実感して頂けるような魅力ある街になるのではないでしょうか。

いずれにしても、これからは市内からの誘客についても力を入れて頂きたいと思います。

農家レストランについて
原てるお: 次に、こうした北部地域の新たな観光資源ともなりうる農家レストランについて伺います。

都市農業振興基本法第15条では、地産地消の促進が掲げられていますが、いままさに本市においては、国の特区制度を活用し、地元の農畜産物を利用した農家レストランの開設が民間を中心に進められようとしています。都市農業振興基本法や本市の施策の方向性にも合致した取り組みだと考えますが、本市ではこの農家レストランの開設についてはどう受け止めているのか、お聞かせください。

 

経済部長: 農家レストランは、一定の条件を満たせば、国の特区制度に基づき、農業振興地域においても、畜舎や農作物の集出荷施設などと同じように農業用施設とみなされ、農業の振興や、開設農業者の所得の向上にも繋がり、より農業経営の安定に寄与するものと考えております。

また、地産地消や六次産業化の推進も期待されており、今年度中に策定する「都市農業振興計画」の中にも取り込んでまいります。

 

原てるお: 都市農業振興基本計画の中にも取り込んでゆくということでしたが、まさに市街化調整区域において農家レストランの開設を実現するためには、農地法上の課題をクリアするだけでなく、都市計画法上の課題もクリアしなければなりません。

そこで伺いますが、これまで農家レストランの開設に向け、本市としてどのような取り組みを行ってきたのか、今後の見通しも含めてお聞かせください。

 

経済部長: 農業振興地域内の農用地区域に農家レストランを開設するためには、市街化調整区域内での開発となりますので、開発許可が必要となりますが、現在、国家戦略特別区域において、都市計画法上の規制緩和が定められていないことから、開発許可につきましては、通常の手続きで進めていくことになります。

こうしたことから、これまで、農家レストランの開設に必要な設置要綱や、認定基準等を作成し、開発許可に向けた調整を行ってきたところでございます。
今後は、農業振興地域整備計画への位置づけを始め、早期の開設が可能となるよう、庁内関係各課が連携し、諸手続等を進めてまいりたいと考えております。

 

原てるお: 「今後、農業振興地域整備計画に位置付け、早期の開設に向け、開発許可に関する諸手続等を進めてゆきたい」ということでしたが、この農家レストランの取り組みが国家戦略特別区域における区域計画として認められるにあたり、東京圏での初の試みとして期待が寄せられるとともに、平成28年度中には開設されるような説明もなされていました。

そこで、伺いますが、国家戦略特別区域の区域計画に盛り込まれたことも踏まえ、早期開設に向けた今後の見通しについて、より具体的にお聞かせください。

 

経済部長: 農業地域整備計画への「農家レストラン」の位置づけにつきましては、9月9日に開催いたしました農業振興地域整備促進協議会に諮問し、承認されたところでございます。

今後は、農業委員会や、土地改良区、関係団体への意見照会を行った後、県の手続きを経て、公告・縦覧を行い、異議申し出がなければ、整備計画を変更してまいります。

その後、農家レストランの開設に向けた開発許可に関する手続きの手法について、関係各課と連携し、構築してまいります。

教育との関わりについて
原てるお: 次に、教育との関わりについて伺います。

都市農業振興基本法第17条では、学校教育における農作業体験や都市農業者との交流、農業に関する学習の機会充実が掲げられています。

そこで、伺いますが、現在、学校教育の現場において、農業に対する理解を深めるためにどのような取り組みが行われているのか、お聞かせください。

 

教育部長: 本市立学校における農業に対する理解を深める取り組みについてでございますが、学校では学習指導要領に基づいての取り組みを行っており、小学校1年生から植物を育てる栽培活動として、生活科や理科、総合的な学習の時間を中心に学校近隣の畑や田んぼをお借りしたり、校内の畑や池、プランターやバケツなどを使用したりして、野菜作りや米作りを行っております。

昨年度は、農業を体験する取り組みを全ての市立小・中・特別支援学校で行っております。特に、小学校18校、中学校7校では、農業を営んでいる方の指導を継続的に受けながら、農作業等を体験する「教育ファーム」という取り組みを行い、農業を営むことの苦労や大切さ、尊さを学び、あわせて地域の方との交流を深めておりました。

その他、中学校の職業体験活動の中で、地元農家の方の協力を頂いての農作業体験を行っております。

また、小学校5年生と中学校1年生では、八ヶ岳野外体験教室において、野菜の種まきや苗植え、収穫を体験する学校も多くあり、農業に対する児童生徒の理解が深まっております。

 

原てるお: 本市では様々な機会を通じて、児童生徒が農業に対する理解を深めているとのことでしたが、とりわけ、生産者の指導を受けながら、一連の農作業を体験する「教育ファーム」については、さらに多くの学校で実施されることが期待されます。こうした農業体験の機会を増やすことは、食育基本法のみならず、都市農業振興基本法の趣旨にも沿ったものであり、今後、さらなる拡大が求められると思いますが、本市教育委員会の見解を伺います。

 

教育部長: 教育ファームなどの取り組みを増やすことについてでございますが、教育委員会と致しましては、教育ファームのような体験的学習は農業を営んでいる方との直接対話や継続指導による農作業を通して、児童生徒が農業生産の苦労や喜び、食べ物の大切さなどを実感できる意義のある学習であると捉えています。

しかし、学校を支援いただける地域人材の中に農業従事者がいないことや、学校近隣に農地がなく移動に時間を要するため、授業時間の確保が難しいといった課題があることから、教育委員会と致しましては、各学校の実情にあった農作業体験の充実が図られるよう支援して参りたいと考えております。

道の駅について
原てるお: 次に、直売施設について伺います。

都市農業振興基本法第15条では、地産地消の促進を図るため、直売所の整備等が具体的に例示されています。すでに市内には大型の直売施設をはじめ、各農家が軒先などで販売を行う無人販売など、多くの直売所が存在し、藤沢産の新鮮で安全な農畜産物を販売する拠点となっています。

その中でもとりわけ、六会地区における大型の直売施設については、本市の農畜産物の販売拠点としてはもちろんのこと、本市には年間1,800万人を超えるとも言われる多くの観光客が訪れている中で、本市の農畜産物の魅力の発信拠点として、より多くの市内外の方々に利用されることが期待されます。

これまでも観光振興計画に位置付けられるとともに、地元産の食材を利用した料理教室など、様々な取り組みが同施設を中心に行われてきましたが、さらなる観光との連携について本市ではどのように考えているのか、お聞かせください。

 

経済部長: 六会地区の大型直売施設である「わいわい市藤沢店」につきましては、平成22年の開設以降、多くの方にご利用いただき、また、隣接する「産地形成促進施設」につきましても、地元産食材を利用した料理教室等を開催するなど、本市の地産地消を推進するにあたり重要な拠点の一つとなっております。

今後のさらなる観光と連携した事業展開についてでございますが、観光ツアー等における北部の観光拠点として、市内外にPRし、集客を図っていくことが考えられますが、現在の駐車場やトイレ設備等では、多くの観光客の方々にご利用いただける状況ではございませんので、運営主体である「さがみ農業協同組合」と協議し、今後の整備方針について、検討してまいりたいと考えております。

 

原てるお: さて、本市においては2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会においてセーリング競技の開催が予定されており、その成功が市政の大きな課題となっています。すでに先の現地視察報告の中でもオフィシャルショップの開設状況などについて触れられていましたが、オリンピック・パラリンピックだけの一過性のものに終わらせるのではなく、さらなる観光誘客を進めるためにも、或いは、本市の魅力ある農水産物を市内外へとPRし、販売促進を図るためにも、観光拠点、並びに農水産業振興の拠点として、道の駅的な事業ができないかと考えます。

すでにお隣の茅ヶ崎市では道の駅が開設されるように聞き及んでいますし、本市においても、かつては御所見地区においてファーマーズパーク構想が掲げられ、また市民からはバーベキュー場やドッグランの開設を求める声も聞こえてきます。

そうした状況の下、国土交通省に登録される正式な道の駅ではなくとも、本市の農水産業や観光の振興拠点として、さらには様々な市民ニーズに応えた機能を持ち合わせた拠点として事業展開を図ることができないかと考えますが、本市の見解を伺います。

 

経済部長: 本市の農水産業や観光の振興拠点としての道の駅的な事業の展開についてでございますが、様々な要望や、西北部のまちづくりの事業の進捗を踏まえながら、公民連携や民間主導等の整備手法と平行し、検討していくべきものと認識しております。

具体的には、御所見地区郷土づくり推進会議から本年3月に提出されました「御所見まるごと田園パーク構想の実現に向けた要望書」の内容や、「バーベキュー場開設」など、市民ニーズをはじめ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた様々な取り組みの動向などを見据え、農水産業への効果や、観光振興等を勘案しながら、複合施設の拠点整備のあり方について研究してまいりたいと考えております。

 

要旨(2)水田の保全について

【一般質問】
件名(1)農業に希望がもてるまちづくりについて

要旨(2)水田の保全について
水田の現状について
米のブランド化について
農業用水路の整備について

水田の現状について
原てるお:
現在の市内の水田の状況について、耕作者数や面積等の経年変化、さらには抱えている課題などについてお聞かせください。

経済部長: 5年ごとに作成される「農林業センサス」によりますと、本市において、水田に水稲を作付けしている農家戸数は、平成17年が、358戸、平成22年が314戸、平成27年が271戸となっております。また、水稲が作付された面積につきましては、平成17年が107ヘクタール、平成22年が100ヘクタール、平成27年が97ヘクタールとなっており、この10年で水稲を作付している農家戸数は87戸減少し、面積は10ヘクタール減少しております。

なお、課題といたしましては、耕作者の高齢化に伴う担い手不足と、耕作放棄地の増加であると認識しております。

 

原てるお:
この10年間で農家戸数、作付け面積ともに減少し、とりわけ農家戸数の減少幅が大きく、それが課題だということでしたが、それでは、そうした現状を踏まえ、今後市内の水田について、どのようにしてゆくつもりなのか、お聞かせください。

 

経済部長: これらの課題を解決していくためには、農作業の受託組織の法人化や、大型機械の導入による作業の効率化を図るため、水田の区画拡張が必要となります。

現在、大庭地区において、農作業受託組織の法人化に向けた動きがございますので、この法人の設立を支援していくとともに、「農地中間管理機構」を活用した農地の集積と、水田の区画拡張に向け、関係機関と協議を進めてまいります。

 

原てるお:
大庭地区で農作業受託組織の法人化に向けた動きがあり、市として支援してゆくとのことでしたが、具体的にどう支援してゆくのか、お聞かせください。

 

経済部長: 農作業受託組織の法人化への具体的な支援といたしましては、法人化に対する国の補助事業である「農業経営力向上対策事業」がございますので、その活用に向けた取り組みを進めてまいります。また、法人設立後には、受託面積の拡大により、大型の機械等が必要になってまいりますので、その導入に対する支援につきましても、検討してまいります。

 

原てるお:
次に、先程のご答弁では、法人設立への支援とともに、農地の集積と水田の区画拡張に向け、関係機関と協議してゆきたいということでしたが、今後具体的にどう協議を進め、取り組みを進めてゆくのか、お聞かせください。

 

経済部長: 今後、設立される予定の法人に対し、地権者が農地を貸し付ける場合は、「農地中間管理機構」を通して、法人に貸付が行われるよう、人と農地の問題を解決するための「未来の設計図」である、「人・農地プラン」の検討の中で、地域の合意形成を図ってまいりたいと考えております。

 

原てるお:
以前から「人・農地プラン」に基づいた話し合いをということでしたが、いま具体的に例を挙げて頂いた大庭地区については、以前、議会でも申し上げましたが、実質的にごく少数の耕作者が耕作しており、しかも年々高齢化が進んでいます。さらに、水利についても、引地川からポンプで水を汲み上げていることから電気代が嵩み、他の地区の水利組合と比べても水利組合費が高いという話も伺います。このまま行けば、あと数年のうちに一気に耕作放棄地が広がる恐れもある中で、精力的にこの耕地を守るための取り組みを進めて頂きたいと思います。
米のブランド化について
原てるお: それでは次に、米のブランド化について伺いたいと思います。

市内における水稲栽培については、ほとんど儲けがなく、先祖からの土地を荒らさないために耕作を続けているという声をよく耳にします。そのために、年々耕作者も減少し、担い手不足が深刻化してきていますが、この現状を改善するためには、少しでも栽培するお米の付加価値を高め、少しでも儲けにつながるような仕組みを考えていかなければなりません。

そこで、これまでもお米の高付加価値化について伺って参りましたが、これまでのご答弁では、エコファーマーの認定を受けた耕作者を増やし、安心・安全で自然環境にやさしい農産物というイメージを本市の農水産物について広めてゆきたいということでした。

そこで、伺いますが、市内のエコファーマーの認定状況と水田保全奨励金の申請者の状況について、どのようになっているのか、お聞かせください。

 

経済部長: 藤沢市内におけるエコファーマーの認定者数につきましては、神奈川県に確認したところ、平成27年度末現在で129名おり、その内、121名が水稲栽培におけるエコファーマー認定を受けております。また、本年度新たに水稲栽培のエコファーマー認定を受ける方が、5名程いることもお聞きしております。

また、本年度の水田保全奨励金の申請者は、126名で、内訳といたしましては、エコファーマーが124名、有機農業者が2名でございます。

 

原てるお: エコファーマー認定を受けた方の奨励金申請が増えていますが、今後、本市のお米について環境にやさしいというイメージを広げるために、具体的にどのような取り組みを展開するつもりなのか、お聞かせください。

 

経済部長: 毎年「わいわい市藤沢店」において、新米PRの試食イベントを実施しており、そこで環境にやさしい「米」という情報もあわせてPRしているところでございます。

今後もこのようなイベントや各種機会を通じ、より一層、藤沢産米の付加価値を高められるよう、取り組んでまいります。

 

原てるお: ただ漠然と環境にやさしいお米というイメージでPRするよりも、もっと具体的、戦略的にブランド化を進め、付加価値を高めるべきだと考えます。

例えば、お隣の茅ヶ崎市にはタゲリの保全とタイアップしたタゲリ米というものがありますし、この藤沢でも石川丸山谷戸で採れるお米はホタル米として販売され、好評を博しているとも伺っています。また、市内にはその他にも合鴨米などもありますが、こうしたより具体的なイメージと結びつけたブランド化の推進により、藤沢産米の高付加価値化を進めることも一つの方策ではないかと思いますが、本市の見解を伺います。

 

経済部長: 市内全体で「米」をPRしていくためには、環境にやさしい「米」というイメージ戦略が効果的であると考えておりますが、地域を分けて考えますと、ご指摘のような具体的なイメージに結びつける戦略も必要であると考えます。例えば、緑肥としてレンゲを鋤込んでいる田んぼの「米」を「れんげ米」として販売している生産者もいらっしゃいますので、生産者の意向を把握した中で、事例を研究し、「米」の付加価値を高める取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 

原てるお: 今後の取り組みに期待したいと思いますが、今後とも水田を維持してゆくためには、お米の高付加価値化もさることながら、例えば、市民農園のように希望する市民に貸し出し、農家が一定の栽培指導等を行いながら管理し、いくらかの利用料収入を得てゆくような仕組みも考えられないかと思います。実際に、田んぼのオーナー制度というような取り組みを行っているところも全国には見受けられます。

同じように、要旨(1)で触れた教育ファームのような取り組みについても、例えば、耕作が難しくなった地域の田んぼを借上げ、学校教育用に確保し、子供たちにとっては、農家の指導を直接受けながら水稲栽培を体験することができ、農家にとっても指導、管理しながら、一定の収入が得られるような仕組みが考えらないかと思います。こうして教育と絡めながら後世に田んぼを残して行くという方法も今後の検討に値するのではないでしょうか。

いずれにしても、何らかの形で少しでも農家に収入が入り、田んぼの維持・保全につながるような、さらなる方策を考えて頂きたいと思います。

農業用水路の整備について
原てるお: 水田に貴重な水を供給する農業用水路の中には、昭和30年代に改修され、以後50年近く経過しているものもあるようですが、市内の農業用水路について、現在どのような状況にあるのか、お聞かせください。

 

経済部長: 藤沢市内の水田地帯につきましては、昭和30年代から40年代にかけて土地改良事業、いわゆる耕地整理事業が盛んに行われ、農業用水路につきましても、その事業によって整備され、現在に至っております。

これらの農業用水路は、築造後50年近くが経過しておりますので、その大部分が老朽化し、更新の時期を迎えているのが現状であり、用水を利用する市内の各水利組合は、用水の確保や水量の調整などのために、毎年のように修繕を行い、その維持管理を行っている状況でございます。

 

原てるお: 築造後50年近くが経過し、全体的に老朽化が進んできているということでしたが、こうした現状に対し、市として今後どう対応するつもりなのか、お聞かせください。

 

経済部長: 農業用水路を含めた水田等の農地は、新鮮な農産物の供給だけでなく、良好な景観形成や、防災等の多面的な機能を身近なところで供給しているもので、その保全は市民生活にとって重要な要素であると認識しております。

農業用水路は、その受益者である水利組合が事業主体となり維持管理しており、市はその事業に対し、補助金を交付するという形で支援しておりますが、今後も継続的に支援を行い、農業環境の維持保全に努めてまいりたいと考えております。

 

原てるお: 農業用水路の老朽化に対し、関係者からも市の支援を求める声が出されているようですが、本市としてこの切実なる声をどう受け止め、今後の施策展開に活かすつもりなのか、お聞かせください。

 

経済部長: 農業用水路改修等の農業基盤整備につきましては、受益者となる水利組合を始めとした、農業者団体が事業主体となり、補助事業という形で支援を行っております。農業基盤整備が行われた昭和30年代から40年代にかけての高度成長期は、様々な分野が急成長を遂げた時代であったと考えられますが、現在、特に都市近郊における農業者にとっては、水田の維持継続は、かなりの負担であり、用水路改修等に対する「補助率の見直し」による「更なる支援」が求められているものでございます。この補助率の見直しにつきましては、今後、近隣他市町の状況等を調査するなど、補助事業のあり方について研究してまいりたいと考えております。

なお、今後の施策展開にあたりましては、水田保全事業における取組等との連携が非常に重要になってくると捉えており、本市における農業のあり方や、方向性を見据えた中で、補助事業を含めた農業基盤整備事業のあり方について、今後、研究していく必要があると考えております。

 

原てるお: これから補助率の見直しについては、他の自治体の取り組み等を調査・研究してゆくということですが、今後の見直しの過程においては、受益者負担の考え方についても整理が必要になってくるのではないかと思われます。

確かに、水利を利用しているのは農家ではありますが、しかしながら、それで大きな利益を得ている訳ではなく、何とか荒らさない程度に耕作を続けているというのが実態です。実際に、水路の改修等についても、行政からの補助は一部であり、残りは水利組合が負担している中で、水利組合だけで巨額の工事費を賄ってゆくには限界があります。

先程のご答弁では、「今後の農業のあり方や方向性を見据えた中で補助事業を含めた農業基盤整備事業のあり方を研究してゆく」ということでしたが、水田の果たしている多面的な機能や水利組合の実情などを踏まえながら、最善の方策を見出して頂きたいと思います。

 

要旨(3)今後の農政のあり方について

【一般質問】
件名(1)農業に希望がもてるまちづくりについて

要旨(3)今後の農政のあり方について
農業委員会について
農政審議会について

農業委員会について
原てるお:
本市農政を担う重要な組織の一つとして農業委員会があります。この農業委員会については法改正が行われ、現委員の任期満了後は新たな組織へと改変される予定となっています。すでにこれまでの議会質疑の中でも、新体制移行に向けた準備が進められつつあることが答弁されていましたが、具体的にいまどのような準備状況にあるのか、お聞かせください。

農業委員会事務局長: 農業委員会等に関する法律改正法が本年4月1日に施行され、神奈川県内では、これまでに、相模原市をはじめとする2市3町が新制度に移行し、さらに、本年度中に小田原市をはじめとする3市1町が移行することとなっております。

したがいまして、現在、これら先行自治体の状況を踏まえ、条例や規則の改正等に係る具体的な内容について検討を行っているところでございます。

今後は、来年7月の農業委員の改選及び農地利用最適化推進委員の委嘱に係る具体的な内容及びスケジュール等につきまして12月定例市議会の建設経済常任委員会へご報告をさせていただき、来年2月定例市議会に農業委員会委員等の定数条例などの関連条例についてご提案をさせていただく予定でございます。

 

原てるお:
今回の法改正により、農業委員の選出方法が変わりました。具体的には、推薦・公募に基づいて候補者を選び、最終的には議会の同意を得て市長が任命することになります。

そこで、伺いますが、この委員の推薦・公募の方法や候補者数が定数を超えた場合の対応、その選定基準などについて、どのようにされるつもりなのか、お聞かせください。

 

経済部長: 農業委員の推薦・公募の方法につきましては、改正法におきまして、農業者、農業関係団体等に推薦を求めるとともに、公募による募集をすることとなっております。

その委員構成につきましては、認定農業者が過半数で、農業委員会の所掌事項に関し利害関係を有しない者を含めることや年齢・性別に著しい偏りがないようにすることとされております。

このことから、募集内容等が具体的になった時点で推薦、公募について広く呼びかけを行ってまいります。

また、農業委員候補者の選考に当たっては、法施行規則において、任命過程の公平性・透明性を確保するため、必要な処置を講じることと規定されていますので、先行自治体では、法の趣旨を踏まえ、候補者選考のための委員会を設置し審査を行っております。

本市におきましても、候補者の選考に際しましては、同様に候補者選考のための委員会を設けてまいりたいと考えております。

また、選考基準につきましても、先行自治体の事例等を参考にしながら改正法の趣旨を踏まえ具体的な検討を進めてまいります。

 

原てるお:
今回の法改正により、新たに農地利用の適正化を推進する農地利用適正化推進委員が創設されることになりました。この農地利用適正化推進委員についても農業委員会が定める区域ごとに推薦・公募を実施し、最終的には農業委員会によって委嘱される仕組みになっています。

そこで、伺いますが、この農地利用適正化推進委員の選出について、どのようにされるつもりなのか、お聞かせください。

 

農業委員会事務局長: 農地利用最適化推進委員につきましては、農業委員会が定めた区域におきまして、農地利用の最適化の推進のための現場活動を行うとされております。

したがいまして、まず、農業委員会において担当地区割りについて決定し、区域毎に推薦・公募をしていくこととなりますが、募集から候補者の選定までは、現農業委員で構成する農業委員会で行っていくこととなります。

また、候補者の選考に際しましては、農業委員と同様に、法施行規則において、委嘱過程の公平性・透明性を確保するため必要な処置を講じることと規定されていることから、農業委員会内に選考のための委員会を設け、進めてまいりたいと考えております。

なお、委嘱につきましては、新制度に基づく農業委員会において、推進委員としてご決定を頂いた後に委嘱をすることとなります。

農政審議会について
原てるお: 現在、農業委員会ではその活動で得られた情報に基づき、市農政の改善に向け、様々な施策や予算措置に関して「市長への建議」という形で要望が出されています。また、法改正後も引き続き必要に応じて農地等利用適正化推進施策の改善意見を関係行政機関等に提出することが法で定められています。

もちろん、現場で得られた意見を関係行政機関に投げかけることは重要なことであり、あって然るべきだと考えますが、しかし一方で、農業委員会からの市長建議に対する答弁書を農業水産課が作成しており、いわば、同じ市役所という組織の下で、ボールを投げ合っているような状況にあります。

むしろ、仲間同士でキャッチボールをしているよりも、同じテーブルについて、現在藤沢市の農政が抱える課題をどう解決するか話し合い、具体的な施策を講じるべきではないかと考えます。

実際に、埼玉県越谷市では、農業委員や農業協同組合代表者、土地改良等の団体代表者等で構成される農政審議会が設置され、農政に関する市長からの諮問に応えるとともに、越谷市都市農業推進基本計画の見直し作業などにも関与しています。

そこで、本市においても、農業委員会や農業水産課はもとより、農業関係機関とも連携し、一つテーブルのもと、本市農政の抱える課題を話し合い、農業振興に取り組む組織を作るべきではないかと思いますが、本市の見解を伺います。

 

経済部長: 本市におきましては、農業振興の課題解決に向けた特別な審議会は、現在ございませんが、個別の課題ごとに農・畜産業関係者にご参加いただき、課題解決に向けたきめ細かな話し合いを行っているのが現状でございます。

具体的には、「高齢化や後継者不足」、「耕作放棄地の増加」などの地域課題を解決するため、毎年実施している「人・農地プラン」の更新における話し合いや、畜産振興についての話し合いを行う「藤沢市畜産振興審議会」や、今年度中に策定予定の「藤沢市都市農業振興計画」においても、農・畜産業者、農業関係団体、農業委員会、土地改良協会などから委員として参画していただき、今後の藤沢市における都市農業の在り方について、課題を含めまして議論をいただき、計画を策定していく予定でございます。

その他にも、農業水産課が関係する多くの会議等には、農業者、農業委員会、農業関係団体に参加していただいており、こうした機会を通じ、課題解決と施策構築に向け、取り組んでまいりたいと考えております。

こうしたことから、農業振興に取り組むための新たな審議会につきましては、今後の検討課題とさせていただきますが、農政が直面する様々な課題に対しては、現場の意見を第一に、関係団体等との話し合いを引き続き行い、その解決に向け努力してまいりたいと考えております。

 

原てるお: 「課題ごとに関係団体等の方々を交えて、これまでも議論を重ねてきた」ということでしたが、いまの市には農政の柱となる計画や、それを検討・推進する組織がないように感じます。個別課題ごとに対処するのも結構ではありますが、やはり農政全体を見渡した上で、例えば、先程も触れた水路の問題や水田の問題、観光と絡めた取り組みなど、いまの農政全体のどこに問題があり、藤沢市全体の農業を振興する上で、どの課題に優先的に対処するのか、大所高所から議論し、方向性を打ち出してゆくことも必要ではないかと思います。

ちょうどこれから都市農業振興基本計画の策定に向けた協議会も立ち上げられますので、例えば、そうした場を発展的に活用し、今後の農政のあり方について議論する場にしてゆくことも一つのアイデアではないかと思います。

いずれにしても、農業に希望がもてるまちづくりを今後とも進めて頂きたいと思います。