トップ活動レポートNo.48
「てるてる坊主通信」No.48
6月5日から始まった6月議会では、防災行政無線のデジタル化に伴う工事契約議案をはじめ、本町小学校のプール改修費などを盛り込んだ一般会計補正予算などが審議され、いずれも賛成多数で可決されました。また、一般質問では、三大谷戸の保全について市長の考え方を訊くとともに、具体的な保全に向けた今後の取り組みについて質問しました。

そこで、今回のレポートでは、こうした一般質問でのやり取りを中心に三大谷戸の保全についてお伝えします。

◎ 三大谷戸の保全について ◎
~一般質問から~
①三大谷戸の保全に対する市長の考え方について 
市内には、貴重な自然がまとまって残されている、いわゆる三大谷戸(川名清水谷戸、石川丸山谷戸、遠藤笹窪谷)と呼ばれる緑地が存在します。これらの谷戸を取り巻く環境や緑地として残されている経緯などはそれぞれ異なりますが、いずれにしても、市内でまとまった自然が残されている緑地として、その保全が大きな課題となっています。前市政のもとでは、これら三大谷戸について初めて保全するという方向性が示され、総合計画の中でもその方向性と取り組みが位置付けられましたが、その後市長が交代し、三大谷戸の保全を位置付けてきた総合計画の廃止が打ち出され、果たして三大谷戸の保全について今後どのように取り扱われるのか、全くその方向性が見えなくなってしまいました。

そこで、6月議会の一般質問では、まず、この三大谷戸の保全に対する市長の考え方について質問しました。その結果、市長からは、「貴重な自然環境を後世に引き継いでいくことも重要」であり、「そのことは、とりもなおさず私の『郷土愛あふれる藤沢の創生』とつながっていくものと考えて」いるとの趣旨の答弁が返ってきました。今後は、この答弁の趣旨に沿って三大谷戸の保全がしっかりと図られるよう議会でもチェックして参りたいと思います。

【図1】三大谷戸の位置
②川名清水谷戸の保全について
川名清水谷戸は、藤沢駅から約1.2㎞と市街地に極めて近い場所に位置した緑地で、その広さは約17haあります。また、市立新林公園や鎌倉市の手広緑地とも隣接し、市街化区域にまとまって残された貴重な緑地となっています。しかし一方で、この谷戸を横断し、片瀬山方面へと抜ける県道横浜藤沢線の建設が予定されており、谷戸の自然環境や周辺住民の生活環境への影響が懸念されています。この県道建設は長らく膠着状態にありましたが、近年、横浜湘南道路や高速横浜環状南線の建設工事の進展に伴い、再び建設に向けた動きが本格化し始めました。

そこで、一般質問ではこの県道横浜藤沢線の建設と川名清水谷戸の保全との整合性を今後どう図るのかについて質問しました。その結果、神奈川県では「トンネル構造を長くとった計画案を示すとともに、『環境影響予測評価案』及び『保全対策案』をベースに、自然環境や周辺環境に配慮した道づくりを進めていくとの方針」が示され、市としても「鎌倉市の手広緑地との一体的な緑地保全を図り、横浜藤沢線の都市計画と整合を図った上で、『特別緑地保全地区』(※1)などの都市計画決定に向け、取り組んで」ゆく旨の答弁が返ってきました。県道横浜藤沢線の建設はまだまだこれからですが、川名清水谷戸の保全とどう両立させるのか、今後ともその具体的な取り組みを議会でも注視して参りたいと思います。


(※1)特別緑地保全地区…都市緑地法第12条に基づき、一定の建築行為等を制限することにより、豊かな緑を現状凍結的に保全する制度で、市内には「引地川特別緑地保全地区」や「城南特別緑地保全地区」「境川特別緑地保全地区」があります。
③石川丸山谷戸の保全について
石川丸山谷戸は、善行団地と天神町の間に位置した約20haの緑地で、引地川特別緑地保全地区とも隣接しています。また、平成21年9月には「神奈川県里地里山の保全、再生及び活用の促進に関する条例」に基づく「里地里山保全等地域」に選定され、地元地権者の方々を中心とした石川丸山ホタル保存会と、保存会の活動をボランティアで支えている援農クラブの方々とがとても良い関係を構築しながら、谷戸の保全に向けた実践的な活動を展開されています。

しかし、この谷戸については保全という方向性は示されたものの、具体的な保全策がいまだ示されておらず、今後いかに保全に向けた具体策を煮詰めてゆくかが課題となっています。

そこで、一般質問では今後の具体的な保全策について質問しました。その結果、「『丸山地区』及び『中河内地区』の一部約10haは都市公園法に基づく『都市緑地』(※2)に指定、残る『丸山地区』の一部と『中河内地区』の一部及び『色子地区』全部を合わせた約10haは隣接する『引地川特別緑地保全地区』と同じく特別緑地保全地区の指定を行うことにより、一体的な保全を図って参りたい」との答弁が返ってきました。また、谷戸内の土地利用計画についても、「『石川丸山ホタル保存会』『丸山谷戸援農クラブ』をはじめとした、現地活動を行っている地域団体と協議の上、早ければ今年度後半よりルールを検討して参りたい」との答弁が返ってきました。

今回の一般質問により、ようやく今後の方向性が少し見えてきましたが、地元地権者や関係者の方々等とも十分話し合いを重ねながら、今後は谷戸内の具体的な保全計画の策定に着実に取り組んで行く必要があります。

(※2)都市公園法に基づく「都市緑地」…「主として都市の自然的環境の保全並びに改善、都市の景観の向上を図るために設けられている緑地」(国土交通省ホームページより)のこと。
【図2】石川丸山谷戸概略図
④遠藤笹窪谷の保全について
遠藤笹窪谷は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの北側に位置し、その広さは約23.7haあります。この谷戸の保全にいては、昨年、地元住民等が参画する中で「健康の森基本計画」が取りまとめられ、今後はこの計画に基づいて、具体的な谷戸の保全策が展開されることになっています。

すでに昨年7月には地元住民や自然保護団体等によって構成される「健康の森管理運営協議会」が立ち上げられ、谷戸内の管理運営ルールの検討や里山保全・再生に向けたアクションプランの確認等が行われてきました。また、今年度からは、アクションプランに基づき、公民連携による里山保全・再生事業も着手されています。さらに今後は、「①里山再生ゾーン」での竹の伐採や雑木林の再生、「②里山保全ゾーン」での水の浄化や希少種等の生息環境の維持・保全、「③湿地保全ゾーン」での湿地の保全、「④笹久保地区」におけるフットパス整備の検討が進められることになっています。

このように遠藤笹窪谷においては、具体的な谷戸の保全計画が定められ、それに基づいた事業が公民連携で進められようとしていますが、事業の着実な進捗に向けた実施スケジュールの立案や将来のいずみ野線延伸を見据えた取り組みなどが課題となっています。特に、菖蒲園や田んぼ、管理施設の整備などが掲げられている「⑤谷戸の里再生ゾーン」については、いかに早期整備を図り、他の地域から人を呼び込める仕組みを整え、地域の活性化に結び付けてゆくか、さらに、逆にそのことによっていずみ野線の延伸を後押しするような取り組みが求められています。

そこで、一般質問ではこうした取り組みについて質問したところ、「⑤谷戸の里再生ゾーン」については、谷戸内の「施設整備による集客力アップが地域活性化につながるものと考えられますが、都市公園法による都市緑地として事業化のうえ、特定財源の導入が重要」であり、「その状況によりましては、いずみ野線延伸計画を意識する中で、健康の森の整備が先行することも考えられる」との答弁が返ってきました。さらに、今後の各事業の実施スケジュールについても「今年度と来年度の2カ年の中で『健康の森管理運営協議会』と協議を進め、健康の森基本計画全体の細部にわたる実現化プラン、ならびにロードマップを策定して参りたい」との答弁が返ってきました。

遠藤笹窪谷の保全に向けた具体的な取り組みや今後のスケジュールについては、国からの補助金をどれだけ確保できるかによって、取り組み内容や進捗状況が左右される可能性もあることから、まだ大まかな方向性しか示されていませんが、今後、地元住民の方々等とも十分に話し合いながら、「健康の森基本計画」で示された取り組みを着実に具現化させて行く必要があります。

【図3】遠藤笹窪谷概略図
※一般質問での答弁内容については「太字」表示で表しました。正確な内容は議事録をご確認ください。
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