トップ活動レポートNo.49
「てるてる坊主通信」No.49
9月2日から始まった9月議会では、平成24年度決算などの議案のほか、「中学校給食実施にあたっての基本方針」や小児医療費助成制度の今後の方向性、さらには、使用済小型電子機器リサイクル事業の実施など、重要な案件が各常任委員会で報告されました。

また、一般質問では出資法人改革について質問しましたが、今回のレポートでは、こうした9月議会の様子についてお伝えします。

◎中学校給食、来年度から一部試行実施へ!◎
現在、藤沢市内の公立中学校では昼食時に各家庭からお弁当を持参し、学校では牛乳のみを提供するミルク給食が実施されています。しかし、各栄養素がバランス良く摂取されていないことや肥満と痩せの両方の傾向がみられるなど現在の中学生の「食」を取り巻く問題や、平成17年に食育基本法が制定され、学校給食においても食育の推進が求められるようになったことなどから、「藤沢市中学校給食検討委員会」が立ち上げられ、中学校給食の導入について検討が重ねられてきました。さらに、「検討委員会」での検討結果を踏まえ、今年8月には「中学校給食実施にあたっての基本方針」がとりまとめられ、子ども文教常任委員会で報告されました。

この「基本方針」によれば、「栄養バランスのとれた食事の提供」「望ましい食習慣の育成」「明るい社交性と共同の精神の醸成」「給食を通しての食育の推進」「家庭に対する配慮」の5つを実施目的として、まずは来年度から市内2校(善行中学校、湘南台中学校)でデリバリー方式の給食と家庭からのお弁当持参との選択制による給食を試行実施することになりました。ちなみに、給食は市の栄養士が作成した献立に従って民間事業者が調理し、それを弁当箱に詰めて各学校に配送する予定で、利用希望者は事前にパソコン等で予約するとともに、給食代については一定額を事前入金すること(デポジット制)で未納を防ぐ予定となっています。

中学校給食については、小学校と同様に全生徒を対象に各学校で調理する単独校方式の実施を求める声が根強いものの、「検討委員会」による試算によれば、単独校方式の実施には建設費と運営費あわせて83.9~85億円もの経費が必要と見積もられており、現行の教育費予算総額約94億円(平成24年度決算)と比較して、あまりにも膨大な予算が必要となることが明らかです。一方、今回「基本方針」で示されたデリバリー給食とお弁当持参との選択制では、建設費と運営費あわせて3.8~9.9億円が必要と見積もられており、より現実的な金額となっています。ただ、デリバリー方式についても、すでに様々な事情によりお弁当以外の昼食を望む生徒に対して、市内19校中10校(平成24年度)で弁当販売が実施されていますが、その利用率は3%前後と伸び悩んでおり、果たして中学校給食を実施した場合にどれだけ利用率が上がるのか、親と子の関わりなど様々な観点からお弁当の持参を望む家庭も多い中で、その動向は注視されるところです。

いずれにしても、デリバリー方式とお弁当持参との選択制による中学校給食が来年度から施行されることになりましたが、果たして実施目的に掲げられた5つの目的がどこまで実現されるのか、また、給食利用率や民間事業者の参入状況がどうなるのか、引き続き議会としてもしっかりとチェックしてゆく必要があります。


◎当面、現状のままで…◎
 ~小児医療費助成制度について~
現在、藤沢市では、0歳から小学校卒業までの全ての子供たちにかかる入通院費用を全額市が助成するとともに、中学生の入院費用に対しても一定の所得制限(※1)を設けて市が助成しています。そもそもこの小児医療費助成制度は、保護者の経済的負担の軽減や安心して子育てができる環境づくりを目的に実施されていますが、さらなる対象者の拡大を求める声やその実現にあたって市の財政的な負担(平成24年度決算で約16億5,000万円)を考慮し、所得制限の導入をセットで求める意見などが出されており、市では今後のこの制度のあり方について検討を重ねてきました。

そして、その検討結果がとりまとめられ、子ども文教常任委員会で報告されましたが、結果的には、対象年齢の引き上げも所得制限の導入もせず、現行のまま制度を継続することが示されました。その理由としては、今後も引き続き市内の年少人口の増加により、現行制度のままでも対象者数や事業費の増加が見込まれることや、仮に対象者を中学校卒業まで所得制限なしで拡大した場合には年間3億円、所得制限を設けて中学校卒業まで拡大した場合でも年間2億円の新たな経費増が見込まれることから、まずは限られた財源を保育園の待機児童解消など、喫緊の課題解決に充てる必要があることから、これ以上の対象者の拡大は困難であるとの判断が下されました。一方で、対象者に所得制限を設け、浮いた財源を対象者の拡大に充てる案についても、藤沢市の子育て支援に対する取り組み姿勢にマイナスイメージを与えかねないことから見送られることになりました。

ちなみに、県内の他の自治体では、この小児医療費助成制度に対する取り組みにはバラつきがあり、最も制度が充実している厚木市や海老名市では中学校卒業まで所得制限なしで、近隣の茅ヶ崎市では小学校2年生まで一部所得制限有りで、鎌倉市では小学校卒業まで一部所得制限有りで、横浜市では小学校1年生まで一部所得制限有りで実施されています。このように現状では、他の自治体と比較しても、決して藤沢市の取り組みが大きく見劣りするような状況にはありませんが、今後とも市の財政状況や保育園の待機児童解消状況などを見極めながら、引き続き藤沢市の子育て支援施策の充実に向けた検討を重ねてゆく必要があります。


(※1)中学生の入院医療費助成の所得制限額
扶養人数 0人 1人 2人
所得限度額 532万円 570万円 608万円
「小児医療費助成制度の方向性の検討結果について」をもとに作成
◎レアメタル回収へ◎
~使用済電子機器リサイクル事業について~
9月議会の厚生環境常任委員会では、使用済小型電子機器リサイクル事業の実施について市当局から報告されました。この事業は、都市鉱山という言葉に象徴されるように、資源の少ない我が国において、携帯電話等の小型電子機器に使用されているレアメタルなどの希少金属をそのまま廃棄してしまうのではなく、できる限り有効に再利用することが求められている中で、国の実証事業に藤沢市として参画し、使用済小型電子機器に含まれている希少金属を回収、再利用しようとするものです。具体的には市民センターなど市内19か所に回収ボックスを設置し、不要となった小型電子機器を回収するとともに、障害をお持ちの方々にこれら回収された使用済電子機器の分別作業に携わって頂くことにより、市役所における障がい者雇用の拡大をあわせて図るものです。

すでに10月1日からこの事業がスタートしていますが、実際に、どれくらいの使用済電子機器が回収されるのか、今後注目されるところです。

【写真1】市役所に設置された回収ボックス
◎出資法人改革について◎
~一般質問から~
9月議会では出資法人改革について、一般質問で取り上げました。現在、藤沢市には市が出資して設立された外郭団体である出資法人が存在し、行政の補完的な役割を果たしています。しかし、出資法人を取り巻く環境の変化から、行財政改革の一環として出資法人改革が進められ、あわせて国の公益法人制度改革関連3法への対応も図られてきました。その結果、当初13あった出資法人が現在では8法人にまで削減されるとともに、多くの出資法人が公益財団法人へ移行しました。

しかし、【グラフ1】のように、市から出資法人に繰り出されている委託料、補助金、負担金の総額は、出資法人改革がスタートして以降、増加の一途をたどっており、今後は法人事業の見直しや、市からの委託事業の適正化などによって、法人経営の自立性、健全性の向上を図るともに、市からの繰出金の抑制にも努めてゆく必要があります。

また、これら法人に市職員のOBが役員として再就職していますが、その人数も平成22年をピークに減少傾向にはあるものの、出資法人改革がスタートした当初(平成18年度24人)と比較すると、まだまだ多い状況(平成25年度25人)にあります。さらに、これら法人に再就職した市職員OBの人件費相当分を市が補助金として交付していますが、その金額も出資法人改革がスタートした当初(平成18年度約5,709万円)と比較してまだまだ多い状況にあります(平成25年度約6,807万円)。もちろん、市職員OBの中にも優秀な方は大勢おり、出資法人の役員に再就職して辣腕をふるうことがあっても良いのではないかと思われますが、やはり法人経営の自立性、健全性の確立という観点からすれば、できる限りプロパー職員を育成し、役員にまで昇進できるような体制を構築するとともに、少なくとも市職員OBの人件費相当分に対する市の補助はなくしてゆかなければなりません。

いずれにしても、来年度から集中的に出資法人改革が進められますが、改めてチェックして参りたいと思います。

【グラフ1】市からの委託料、補助金、負担金の推移
このページのトップに戻る
Copyright(C) 原てるお後援会. All Rights Reserved.