トップ活動レポートNo.50
「てるてる坊主通信」No.50
12月2日からはじまった12月議会では、公共施設の管理を委ねる指定管理者の指定に関する議案をはじめ、「ふじさわ防災ナビ」の全戸配布に必要な経費を盛り込んだ補正予算などが審議されました。特に市営住宅の指定管理者の指定においては、これまで特定で委ねられてきた、いわゆる市の外郭団体である公益財団法人藤沢市まちづくり協会に代わって、県営住宅等を管理する一般社団法人かながわ土地建物保全協会が新たに指定されることになりました。

また、一般質問では、一色川の改修や水田の保全、(仮称)ふじさわ浮世絵館等についてとり上げましたが、今回のレポートでは、こうした12月議会の様子についてお伝えします。

◎タダで譲ったものが20数億円に!?◎
~藤高跡地について~
12月議会では、旧県立藤沢高等学校跡地(以下、藤高跡地)を藤沢市で取得することを求める陳情が市民から提出されました。藤高跡地については、平成22年に藤沢高校が大清水高校と統合再編され、その後の土地利用が注目されていましたが、先般、神奈川県によって行財政改革の一環として藤高跡地を処分する方針が示されました。そこで、藤沢本町駅から至近距離にある立地から、民間事業者の手に渡り、高層マンションや住宅街になってしまう前に、藤沢市が藤高跡地を取得することを求める陳情が市民から市議会に対して提出されました。

この陳情は総務常任委員会に付託され、審査されましたが、結果的には、市としても藤高跡地の立地や歴史的経緯からもその重要性は認識しているものの、路線価から想定される取得費用が約42~54億円と見込まれ、仮に県の規定に基づき、半額で取得することができたとしても、少なくとも20数億円もかかることから、現段階で具体的な土地利用計画のない藤高跡地を取得することは困難であるとの判断が下されました。

確かに、藤高跡地が民間事業者等の手に渡り、高層マンションや住宅街になってしまうことが望ましいとは思われませんが、一方で、善行6丁目の土地取得問題の際にも、具体的な土地利用計画がないまま土地を取得したことが問題視されていたところであり、善行6丁目の場合は約1億円という金額でしたが、今回は少なくとも20数億円という金額が想定される中で、果たして藤高跡地の取得に対してどれだけの市民の理解が得られるのか、かなり難しいものがあると思われます。

ただ、藤高跡地はもともと市が所有していた土地を神奈川県に無償で譲渡したという経緯があり、それを今回20数億円で市に払い下げようというのは、いくら県条例に基づく判断とは言え、あまりにも理不尽な話ではないかと思われます。
いずれにしても、今後藤高跡地がどのように処分され、どのような土地利用計画が立てられるのか、引き続き注視して参りたいと思います。

◎新たな文化の発信拠点?◎
 ~一般質問から~
いま藤沢市では、辻堂駅北口にあるココテラス湘南という、いわゆる藤沢市の外郭団体である財団法人藤沢市開発経営公社が所有する7階建てのビルの入居テナントをどう埋めるかが課題となっています。このココテラス湘南については、前市政の際に、民間活力を導入し、子供の職業体験や学習支援に関連する施策、さらには就労支援事業等を実施する予定で、必要なテナント誘致を民間企業グループに一括して委ねるマスターリース契約が締結されました。しかし、このマスターリース契約の仕組みが複雑で分かりづらいことから市議会でも批判を浴び、結局市長交代とともに約5,500万円もの解約料を支払って契約を解除し、代わりにビルの下半分を開発経営公社が、上半分を藤沢市が責任をもってテナントを誘致することになりました。そこで、いま藤沢市では、どのような部署をこのビルに入居させるべきか頭を悩ませています。

一方、藤沢市には約3万6千点にも及ぶ土器や石器などの埋蔵文化財が存在し、善行中学校敷地内にある元学校給食合同調理場や元御所見市民センターで保管されています。しかし、これらの建物も築40年以上が経過し、老朽化の進展が懸念されるとともに、今後開発行為等によって、さらに埋蔵文化財が増えてゆく可能性があることから、適切な保管場所の確保が課題となっています。この他にも、藤沢市には東海道五十三次に関わる作品をはじめ、歌川広重や葛飾北斎などの浮世絵が数多く存在し、まちづくり協会ビルなどに保管されています。本来であれば、これら埋蔵文化財や美術品は市民の財産でもあり、ただ単に保管しておくだけでなく、より多くの市民に鑑賞してもらうとともに、文化・芸術活動や教育活動などにも利用されることが望まれるところです。

そこで、ココテラス湘南へのテナント誘致が課題となる中、これ幸いにと、浮世絵の展示や若手芸術家の創作活動拠点の設置が計画されることになりました。具体的には、ココテラス湘南の7階部分には、(仮称)ふじさわ浮世絵館という名称のもと、市が所有する浮世絵を展示するとともに、6階部分には、(仮称)アートスペース湘南という名称のもと、若手芸術家の創作活動拠点として、個展やワークショップ等が開催できる施設を設置することになりました。もちろん、市が文化・芸術に関わる施策をしっかりと展開してゆくことは重要なことだと思われますが、果たしてココテラス湘南の穴埋めとして浮世絵の展示や若手芸術家の創作活動拠点を設けることが最善の策なのか、必ずしも十分な議論が重ねられてきたとは言えない状況にあります。

これまでも藤沢市は人口40万人以上の都市であるにもかかわらず、博物館や美術館がないことから、博物館や美術館の設置を求める声が市民の間から上げられるとともに、具体的に旧県立藤沢高等学校の跡地に総合ミュージアムの設置を求める運動が市民団体によって展開されてきました。また、市民が文化・芸術活動を発表する場として、すでに藤沢駅の近くには市民ギャラリーがありますが、前市政の折には辻堂への移転計画が打ち出されたものの、結局利用者等の十分な理解を得ることができず、移転計画が白紙に戻されました。さらに、市民の文化・芸術活動の拠点である市民会館についても、すでに築40年以上が経過し、現在進められている市役所本庁舎の建て替えの次には市民会館の再整備が重要課題の一つとして浮上してくることが予想されます。こうした状況のもと、安易にココテラス湘南の穴埋めとして(仮称)ふじさわ浮世絵館や(仮称)アートスペース湘南の設置を進めるよりも、まずは、市民会館の建て替えや埋蔵文化財の保管・展示の課題、さらには市民ギャラリーのあり方などを十分精査した上で、今後の文化・芸術施策をどうすべきか総合的に判断する必要があると思われます。

この一般質問での私の指摘に対し、市はあくまで新たな文化発信拠点としてこれらの施設整備を図ってゆきたいとの答弁でしたが、今後さらに議論を深め、慎重に判断してゆく必要があります。特に、(仮称)アートスペース湘南については、すでに市民ギャラリーの賃借料として毎年約6,400万円もの税金を支払っていることを考えると、新たに年間約3,300万円もの賃借料を支払って設置する必要性がどこまであるのか、税金の二重投資とならないよう慎重に検討する必要があります。さらに、市は(仮称)アートスペース湘南の設置理由として、若手芸術家等の創作活動拠点の必要性を強調していますが、年間約3,300万円もの税金を投じてハコモノを用意するよりも、むしろ、すでに街中に存在しているアトリエや画廊等に対して、或いは、それら施設の利用者に対してソフト面で支援する方がよっぽど費用対効果も高く、商店街や地域の活性化にも結び付くのではないかと思われます。

いずれにしても、今回の私の一般質問での指摘は12月19日付の神奈川新聞でも大きく報じられたところですが、行政がハコモノ事業で失敗した例は枚挙にいとまがなく、今後とも市民の血税が無駄に使われることがないよう、しっかりとチェックして参りたいと思います。


【図1】ココテラス湘南
◎北消防署遠藤出張所新設へ!◎
~総務委員会報告から~
総務常任委員会では、遠藤市民センターの近隣地を賃借し、救急隊の配置も含め、平成29年度の開設を目途に北消防署遠藤出張所を新設することが報告されました。これまでも、今後の遠藤地区における新たな街づくりをにらみ、消防出張所の設置を一般質問で提案してきましたが、これで出動から現場到着まで4分以上かかる地域が大幅に解消されることになります。

◎湘洋中学校津波対策基本構想について◎
~子ども文教委員会から~
湘南海岸から至近距離にある湘洋中学校では、屋上に避難することができない校舎の構造となっているとともに、周囲にも高い建物がないことから、津波発生時の生徒・教職員の安全確保が課題となっています。そこで、教育委員会では、これまで湘洋中学校津波対策基本構想の策定に取り組んできましたが、先般、その結果が取りまとめられ、子ども文教常任委員会で報告されました。

この報告によれば、神奈川県の想定による津波浸水深が学校敷地内で2m以下であることから、津波最大到達高さ(浸水深+4m)を6mと算定し、それよりも高い3階部分(8.1m)への避難が可能であることが示されました。

そこでまず、屋外から3階に避難することができるよう非常用屋外階段を設置するとともに、周辺住民等が避難してくることも想定し、新たな避難施設の設置についても今後検討してゆくことになりました。引き続き湘洋中学校の安全対策については、保護者や周辺住民とも十分に話し合いを重ねてゆく必要があります。

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