トップ活動レポートNo.52
「てるてる坊主通信」No.52
先の5月臨時議会では、今年度の所属委員会が決定し、引き続き子ども文教常任委員会に所属して活動することになりました。

また、続く6月議会では市役所の既存庁舎の解体工事や辻堂駅南口ロータリーの改良工事などの議案が審議されるとともに、各常任委員会ではバイオガス化品目の試行収集の結果や子ども・子育て支援新制度への準備状況など、市の主要な施策について質疑が行われました。

そこで、ここでは、藤沢市の環境施策の大きな課題の一つであるバイオガス化施設の導入についてお伝えします。

◎CO2削減か、コスト・アップか!?◎
~バイオガス化施設の導入について~
いま地球温暖化が世界的な問題となっていますが、藤沢市においても二酸化炭素などの、いわゆる温室効果ガスの排出削減に向けた積極的な取り組みが求められています。そうした状況のもと、ごみの処理についても今後はできるだけ焼却に依存するのではなく、資源として生かせるものは生かしてゆくことが求められており、特に家庭から排出される可燃ごみの大半を占めている生ごみをいかに資源化するかが課題となっています。その具体的な方法の一つとして生ごみのバイオガス化が検討されていますが、これは家庭から排出される生ごみを分別収収集し、生ごみから発生するバイオガスというガスを抽出して、発電に利用するというもので、二酸化炭素の排出削減とともに、可燃ごみの削減も期待されています。

そこでまず、バイオガス化施設の導入を検討するにあたり、生ごみの分別収集に対してどれくらい市民の協力が得られるのか、或いは、どのような課題が生じるのか等を検証するため、昨年6月から湘南台地区と西俣野地区の一部エリアで試行的にバイオガス化品目(生ごみ、紙おむつなど)の分別収集が行われてきました。先般その結果が取りまとめられ、厚生環境常任委員会で報告されましたが、その結果は【表1】の通りで、協力率、分別率ともに高い結果が得られました。この結果を受け、市ではこれまで日量80t処理することができるバイオガス化施設の建設を検討していましたが、改めて日量130t処理することができる施設へと規模を変更し、検討することになりました。また、試行収集を行ったエリアの住民を対象にアンケート調査を実施したところ、生ごみの分別に対する負担感の大きさが改めて明らかとなり、今後バイオガス化施設の導入を判断するにあたり、この分別に対する負担感をどうするかが一つのポイントになってくると思われます。

また、バイオガス化施設の導入にあたって、もう一つの大きなポイントになると思われるのが、藤沢市で検討されているような日量130tクラスでの施設の稼働実績が全国どこにもまだ存在していないということです。さらに、最近では、お隣の鎌倉市などバイオガス化施設の導入に対して慎重な姿勢を示す自治体が増えてきている中、果たして藤沢市が全国に先駆けて、他に実例のない規模での施設建設に踏み切るかどうかが注目されています。

さらに、バイオガス化施設の導入にあたっては施設の建設から維持管理まで多額のコストがかかりますが、いま藤沢市では既存の焼却施設が老朽化してくる中で、このまま現在の規模で焼却施設を更新した場合(Ⓐ)と、バイオガス化施設を導入し、焼却量が少なくなった分だけ焼却施設をコンパクトにして建て替えた場合(Ⓑ)と、それぞれのトータルコストを概算比較しています。その概要が【表2】ですが、概ねバイオガス化施設を導入した方が年間9,000万円ほどコストが高くなっています。

一方、バイオガス化施設導入の大きなメリットである二酸化炭素の排出削減については、年間で2,770tほどの二酸化炭素の排出削減効果が見込まれており、これは15万本程度の杉の木が1年間に吸収する二酸化炭素の量に匹敵すると言われています。さらに、藤沢市でも地球温暖化防止に向けた取り組みとして、1990年度比で2022年度までに温室効果ガスの排出量を40%削減することを目標に掲げていますが、この目標を達成するためには、さらに約70万tの温室効果ガスの削減が必要であり、藤沢市役所も一事業者として8,000tの削減が求められています。この削減目標と比較した場合に、バイオガス化施設の導入に伴う二酸化炭素の排出削減効果(年間2,770t)をどうみるのか、さらには同施設導入にあたり新たに増える費用負担(約9,000万円/年)と比較し、費用対効果をどうみるのかがポイントになると思われます。

 もちろん、地球温暖化防止に向けた取り組みは全地球的な課題として藤沢市においても率先して対策が講じられるべきであり、可燃ごみの大半を占めている生ごみの資源化についても、何等かの対策が必要です。私も全国各地のバイオガス化施設を調査し、その可能性を調査して参りましたが、現段階においては市が想定する施設と同規模の施設の稼働実績がないことや費用対効果などを鑑みると、その導入の可否については慎重な判断がなされるべきではないかと考えています。

いずれにしても、次の9月議会までには市としての最終判断が下されますが、今後の藤沢市の環境施策の一つの大きな方向性を決める重要な判断であり、多くの皆様のご意見等を伺いながら今後の議会審議に臨んで参りたいと考えております。

【写真1】以前視察した大分県日田市のバイオガス化施設
【表1】試行収集の結果
協力率 分別率
湘南台地区 約60% 約70%
西俣野地区 約90% 約90%
・協力率… バイオ対象品目が専用袋を使って排出された割合
・分別率… 専用袋の中身が正確に分別されている割合
※平成26年6月議会厚生環境常任委員会資料1を基に作成
【表2】1年間あたりのトータルコスト比較
Ⓐ焼却施設の建て替えのみ Ⓑバイオガス化施設の導入
①建設費 4億2,770万円 4億9,290万円
②維持管理費 4億7,100万円 6億9,800万円
③売電収入 3億7,090万円 5億9,750万円
④分別収集運搬費用 0円 1億4,970万円
⑤焼却灰溶融化費用 6億1,500万円 4億9,390万円
合計(①+②-③+④+⑤) 11億4,280万円 12億3,700万円
※環境部の資料を基に作成。諸費用については1年間あたりの金額を算出するために20年間の数字で割り返したもの。
◎やってみなければ分からない!?◎
~生涯学習施設の整備について~
現在藤沢市では、辻堂駅北口にある外郭団体のビルを利用して、市が所有している浮世絵等の展示と若手芸術家の創作活動の場として、(仮称)藤澤浮世絵館と(仮称)アートスペース湘南という2つの生涯学習施設の整備を計画しています。その進捗状況等が子ども文教常任委員会で報告されましたが、これら施設の建設や維持管理に多大なコストがかかることが判明しました。しかも、利用客数の見込みなどについても現段階では明確な見通しが立てられておらず、果たしてこれだけの税金を投じるに値する事業かどうか、その費用対効果すら判断できない状況にあります。もちろん、文化や芸術に関わる施策は全て金銭による費用対効果だけで評価できるものばかりではありませんが、やはりこれだけの巨費を投じる以上、しかも市の直営による運営が検討されているからには、決して失敗することがないよう、今後とも厳しくチェックして参りたいと思います。

【表3】生涯学習2施設のコスト試算
建設費 維持管理費
(仮称)藤澤浮世絵館 1億6,200万円 6,300万円/年
(仮称)アートスペース湘南 3,200万円 6,300万円/年
※平成26年6月議会子ども文教常任委員会資料を基に作成

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